嫉妬をしないようにするには、今すぐコンビニエンスストアに行って、一番安くて分厚い大学ノートと黒いボールペンを買ってくるだけでいいんです。
誰かをねたましく思う気持ちというのは、頭の中で考えているからいつまでもドロドロとした黒いお湯のように消えないのであって、それを外に出して固めてしまえばただの燃えるゴミになります。
ぼくはいつもそうしています。
あなたが夜中にふと目が覚めて、スマートフォンを手に取り、光る画面の中で幸せそうに笑っている友人の写真を見たときのことを思い出してください。
胸の奥のほうが、冷たい手でぎゅっと握りつぶされるような嫌な感じがしたはずです。
あるいは、喉の奥から酸っぱいものがこみ上げてきて、口の中が苦くなったかもしれません。
それは相手が輝いているからではなく、あなたが勝手に自分と相手を並べて、自分のほうが小さくて価値がないと思い込んでいるから起きる体の反応です。
相手が持っているものや、相手がいる場所がまぶしく見えれば見えるほど、あなたは暗い穴の底にいるような気分になって、息をするのも苦しくなりますよね。そのとき、あなたは心の中で、相手が不幸になればいいのにとか、失敗すればいいのにと願ったはずですが、そんな汚いことを考えてしまう自分自身のことも嫌になって、余計に苦しくなったのではありませんか。
だからノートが必要なのです。
その嫌な気持ちを、インクという形のある黒い液体に変えて、紙の上に全部吐き出すのです。綺麗に書く必要はありません。
むしろ、誰にも読めないような汚い字で、そのとき頭に浮かんだ呪いのような言葉をそのまま書き殴ってください。あの子の笑顔が気に食わないとか、あんな男と別れてしまえばいいとか、どうして自分だけがこんなに惨めな思いをしなきゃいけないんだとか、頭の中にある言葉を一つ残らず紙の上に叩きつけるのです。ボールペンの先が紙に食い込んで、裏側のページがでこぼこになるくらい力を込めて書いてください。
ガリガリと紙を削る音だけが部屋に響くくらい、強く、速く手を動かすのです。書いているうちに、指の横が痛くなってきたり、手首が熱くなってきたりしますが、それでもやめてはいけません。ページが真っ黒になるまで書き続けてください。
そうやって手を動かし続けていると、不思議なことが起こります。最初はあんなに憎らしかった相手の顔や、うらやましくて仕方がなかった出来事が、ただのインクのシミに見えてくるのです。あなたが必死になって書き殴った文字の羅列は、意味を持たない黒い模様のように見えてきます。そこにはもう、キラキラした友人も、惨めなあなたもいません。あるのは、インクの匂いと、少し破れかけた紙と、疲れ切ったあなたの右手だけです。
相手のことを人間だと思うから、あなたはいつまでも比べ続けてしまうのです。でも、こうして紙の上に閉じ込めてしまえば、相手はただの文字情報になります。文字になってしまえば、もうあなたを傷つけることはできません。ぼくの部屋には、そうやって書き潰したノートが何十冊もあります。その中には、ぼくがかつてうらやましいと思った人たちが、黒いインクの塊となって閉じ込められています。彼らはもう、ぼくに対して何の力も持っていません。あなたも早く、その重たい胸のつかえを紙の上に捨ててしまったほうがいいですよ。
インクが切れるまで書き終わったころには、あれほど欲しかったものが、どうでもいいガラクタのように思えているはずですから。
そうすれば、あなたはまた明日も、穏やかな顔をしてその友人に挨拶ができるようになります。
それが、あなたが一番望んでいることですよね。